コモンズ前のお休みを昨日はいただいて、本日、毎日新聞の記者の方に「ことばくよう」の取材をいただきました。10時くらいから、11時過ぎまで。かなり丁寧に聞き取りをいただき、企画に込めた思いを引き出していただきました。最後には、ぼちぼちと集まってきたお手紙を並べて、写真撮影もしていただきました。さて、どんな記事になるのか、楽しみです。
この「ことばくよう」という企画は、阪神・淡路大震災から15年を迎える今年、その15年という時間の流れに対して、何かできることはないだろうか、という我々からの投げかけです。というのも、昨年度のコモンズフェスタにて行った「詩の学校スペシャル」に、たかとり協会のスタッフの方が来られたのです。ネットで情報を見つけていただいて、当日に直接参加をいただいたのですが、「こうした場があって、自分のことばで震災を語ることができてよかった」というようなことばを遺していかれたのです。その感想が大変印象に残り、改めて、自分のことばで震災を語る場や機会をつくることが、震災から年月が経ったからこそ大切なのではないか、と考えたのです。
あわせて、お寺がことばを集める、あるいはお寺でことばを紡ぐ、これもまた大きな意味があると、得心しつつあります。まさに「駆け込み寺」ではないのですが、お寺にやってきて、なかなか言えなかった思いをことばにすることは、住職が年頭所感で話された「書く」と「打つ」の違いにも通じる意味や価値ではないかと思っています。今回の「ことばくよう」は、そうして、自らが駆け込むのではなく、封書にことばをしたためて思いをお寺に届けて頂こう、というのが狙いです。そして、そうして届けられた思いをきちんと受け取り、気持ちを引き取りたい、という考えから、「展示」と「浄焚」という2つの場を生み出すことにしました。
何より、「死を悼み」「生を誓う」と、副題に掲げたこともまた、お寺とことばの関連づけをする上で、必要なタイトルだと考えました。誰かが死ぬということは悲しいということ、そして他者と共に生きる上では慈しみにあふれているということ、この当たり前のようで、あまり前には出てこない感情に、今一度光を当ててみたいと思ったのです。もちろん、ここまで書いたものの、まだまだ企画の意図をことばに整理しきれていませんし、企画の意図に対して実施の意義は、それこそ時間が経つごとに厚みを増していくことでしょう。ともあれ、そうした厚みを左右するのは、みなさまから寄せられる手紙であり、それを見に来られた方々の反応であり、その反応の一つとして、展示を見て頂いた上で、その方が手紙を送って頂く、ということになりますので、どうぞ、ご関心、また投函・来場をいただきますよう、お願い申しあげます。
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ことばくよう〜死を悼み、生を誓う4つの物語〜
http://commonsfesta.blogspot.com/2009/12/blog-post_2227.html
あの日から15年の手紙
15年前をふりかえって 自分へおくる手紙
15年前に仲良しだったあの人へおくる手紙
15年前に 会えなかったあの人へおくる手紙
15年前 言えなかったことばをしたためて おくる手紙
15年前 たしかに 15歳若かった自分
15年前 阪神淡路大震災や オウムの事件のあった
15年前 社会がなにかにおびえ始めたことを 肌に感じた
15年前 いまはこの世にいない人と 語らったこと
15年前 そしていまも生きている自分
6000人以上の被害者を出した阪神・淡路大震災から15年。あの日、もしくはあの日から今に至る日々を振り返って、手紙を書くとしたら、あなたは 誰に何を綴りますか。会えなくなってしまったあの人へ、会えなくなってしまった自分へ、そして会ったこともないどこかの誰かへ...。あなたのことば を手紙にして大阪市天王寺区にあるお寺・應典院までお送りください。ご応募いただいたお手紙は、應典院2F「気づきの広場」にて展示させていただ きます。また会期終了後は、みなさんとともに表現を通した参加型のあたらしい「供養」を考え、浄土宗の儀式に則り浄焚していただきます。(個人 特定されないよう、展示の際には配慮させていただきます)
○応募期間 1 月 31 日まで
○応募方法 封書にてお送りください。文字数、枚数は問いません。
※差出人のお名前・ご住所は封筒裏面にお書きください。
○あて先 〒543-0076 大阪府大阪市天王寺区下寺町 1-1-27 應典院寺町倶楽部
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